先日わざわざ来て下され有り難う存じます。
いよいよ戦争も大事。
本土にも火が付き私達もじっとして居れません。多分近い将来命令も下ると存じますが、或いはこの手紙の着く頃進撃の命令が出るかも知れない程身近に迫っております。
作戦に参加するともなれば、もとより一死奉公、生還はもとより期し難いものあり。私が潔く散りましたれば、何卒定義よくやったと褒めてやって下さい。
勿論嘆き悲しむ等の事はないものと確信しますが、命令一下、男として見事散る覚悟です。思い出せば短いようで長かった生活でした。又長いようで短い生活、今の心境は何の未練もありません。
ただ御両親はじめ皆様が末永く生きられ私達の築く勝利をよく御覧下さいますように。
万一の事があり、荷物が着くも決して慌てず立派なものもありますから処置してください。
衣は美智子の平素衣に、日本刀と短刀は決して身離さずに御持ち下さい。今は実に朗らかです。早く戦争に行きたいものです。
尚私の荷物は遺品等と言わずに、散った後も南の空で毎日戦っているものと思ってください。とに角元気一杯戦って死んで参ります。新京(満州国)の皆様に宜しく。
神風特攻。第5七生隊。 昭和20年戦死。23才。